香りノート

vol.8 大茴香

食の文化を支える香りのスパイス

2015.05.20

名称:大茴香(だいういきょう)/スターアニス(star anise)
原産地:中国西南部など


中華料理の香辛料として欠かせないスターアニス。その名の通り、星形をしていている実を乾燥させた香料です。光沢のある種が入った角のような袋が8個ほどあることから、八角の異名も持ちます。香りは樟脳に似て鋭く、そして甘さも持ちあわせています。アニゼットにはじまり、パスティスやアブサンなどヨーロッパではその香りに魅了された人々がお酒の香りづけに使っています。世界各地で香辛料や香りづけに使われている大茴香、日本には仏教伝来とともに伝わり、薫香の材として使われてきたといわれています。
リスンの香りでは、ユーカリや月桂樹などとともにすっきりと透明感のあるインセンスに使われています。静かに深呼吸したくなるような、清涼感のあるスターアニスの香り。食とは違ったスパイスの楽しみ方ができる香りです。


香りノートは香りにまつわるあれこれをご紹介する小さなコラム。
香りがみなさんの暮らしに彩りを添えられるように、そんな願いをこめてお届けします。

【参考文献】

日本の香り 平凡社 2005年

香りの百科事典 丸善株式会社 2005年

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