香りノート
vol.4 乳香古代人も崇拝した、神聖なかぐわしい香り
2014.12.05
名称:乳香(にゅうこう)/フランクインセンス
生育地:オマーン・ソマリア・インドなど
乳香は、ニュウコウジュという木の幹から採取される芳香樹脂。樹皮に傷をつけ、乳白色の涙のような塊(樹脂)を採取します。歴史的記述のなかで最古の香料と言われ、『新約聖書』ではキリスト誕生の際に、東方の三博士から献上された宝物のひとつとして記されています。
古代エジプトの王、ツタンカーメンの埋蔵品のなかにも見出されるなど、古くから、神に捧げる神聖な香りとされてきました。宗教儀式に用いられることが多く、現在もキリスト教のミサでは乳香を焚くことが多いようです。火で薫じると、澄んだ甘さと、バルサミックな青みの混じった白い煙が立ち上ります。
フランクインセンスの香りでクリスマスを彩ってみてはいかがでしょうか。
香りノートは香りにまつわるあれこれをご紹介する小さなコラム。
香りがみなさんの暮らしに彩りを添えられるように、そんな願いをこめてお届けします。
【参考文献】日本の香り 平凡社 2005年
香りの百科事典 丸善株式会社 2005年