香りノート

vol.15 バニラ

偶然が広めた、魅惑の香り

2017.03.01

名称:バニラ(Vanilla)
原産地:メキシコ


16世紀、スペイン人船長のフェルナンド・コルテスがメキシコに渡った際に、バニラ入りのチョコレートドリンクを供されたことがきっかけで、バニラはヨーロッパに広まったといいます。
しかし現地に生息する特殊な蜂が受粉を手伝うことで実を結ぶバニラは、当初メキシコ以外での生産が困難とされていました。バニラの香りに心奪われた人々は17世紀から約200年もの間、人工受粉の研究を重ねたものの、効果的な方法を発見できずにいました。
そんな中、レユニオン島で働く12歳の少年が偶然発見した方法によりバニラの人工受粉に成功、バニラの生産量は飛躍的に向上しました。
今日では世界各地で生産されるようになったバニラ。その甘くて芳醇な香りは、リスンのインセンスにも、ぬくもりある豊かな表情をあたえてくれます。


香りノートは香りにまつわるあれこれをご紹介する小さなコラム。
香りがみなさんの暮らしに彩りを添えられるように、そんな願いをこめてお届けします。

【参考文献】

香りの百科事典 丸善株式会社 2005年

*画像はイメージです。

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