香りノート
vol.21 ムスク(麝香)最高と称される香料
2022.03.22
名称:麝香(じゃこう)/ムスク(MUSK)
産地:ネパール・インド・チベット(中国)・ロシア
「ムスク」と聞くだけで、なんとなく良い香りをイメージする方は多いのではないでしょうか。
それはごくわずかの量を加えるだけで、香りにコク、幅、温かさ、女性らしさなどを与え、広がりのあるものに変えてしまう不思議な力を持ちます。
麝香(ムスク)は、昔から香料のなかの最高のものとして君臨し、高貴な香料として珍重されてきました。その正体は、麝香鹿(ジャコウジカ)のオスの生殖腺嚢「香嚢」の分泌物から得られる動物性の物質です。
近年は麝香鹿が激減し、ワシントン条約で保護指定されるようになりました。そのため商取引が規制されており、様々な代替香料が用いられています。そのままでは香りが強すぎて不快な刺激臭ですが、1000分の1くらいに薄めると、非常に複雑で、単純な言葉では表現が難しい優美で官能的な香りがします。
リスンのインセンスでは香りに自然の温もりを与え、柔らかく深みのあるものに仕上げてくれます。
香りノートは香りにまつわるあれこれをご紹介する小さなコラム。
香りがみなさんの暮らしに彩りを添えられるように、そんな願いをこめてお届けします。
【参考文献】
香りの百科事典 丸善株式会社 2005年
*画像はイメージです。