香りノート
vol.20 パチュリ神秘的な東洋の香り
2020.10.01
名称:パチュリ(patchouli)
原産地:フィリピン
現在はインドネシアなどで主に生産されるパチュリ。シソ科の多年生草本で、葉は生葉の時には香りがなく茎を離れてから強いにおいを放つ性質があるのだとか。
防臭、防虫作用があるとして絨毯や織物のなかに編み込まれ、その独特な香りとともにヨーロッパ諸国に広く知られるようになったのだそうです。神秘的な東洋の香りとしてヨーロッパに普及していき、香料として使用されはじめたのは19世紀中頃以降と推定されています。
シプレ、オリエンタル、フゼア調の香りには欠かせない素材で、いくつもの有名な香水にも使用されてきました。そのユニークな香りは他の原料とブレンドすることで、全体の香りをより魅力的なものに変えてくれているのかもしれません。
リスンのインセンスでは、しっとりと落ち着いているけれどどこか爽やかな香りを作り出しています。ひとりでゆったりと過ごされる時などにおすすめです。
香りノートは香りにまつわるあれこれをご紹介する小さなコラム。
香りがみなさんの暮らしに彩りを添えられるように、そんな願いをこめてお届けします。
【参考文献】
香りの百科事典 丸善株式会社 2005年
【画像撮影協力】
武田薬品工業株式会社 京都薬用植物園